レッグ・ペルテス病
どんな病気?人の大腿骨頭壊死症と似た病気で、レッグ・カルベ・ペルテス病とも呼ばれる病気です。大腿骨の骨頭と呼ばれる部分(太ももと骨盤との連結部)への血液供給がうまくいかず、骨が変形、壊死してしまう病気です。なぜ血液供給がうまくいかなくなるかは完全に解明されていませんが、骨頭部の血管が細くループ状になっていることや、骨頭部の中で血流を2つに分ける区切りがあり、血流が途絶えやすい構造になっていることが考えられています。小型犬に多く認められ生後1歳未満での発症が多い病気です。
症状について発症すると後ろ足を痛がり、挙上する(足を地面につかない)ことが多いです。そのまま放置すると、痛い方の足の筋肉が徐々に痩せてきます。特に、後ろ足を後方に牽引すると痛みが強くでますので、一つの診断の目安になります。レントゲンを撮ると、通常は丸い形をしている骨頭が、くびれがなくなったり、短くなることで四角い形に変形し、骨密度の不均一な低下がみられます。時に骨頭先端の骨が剝がれるように骨折(剥離骨折)していることもあります。ただし、初期の場合や程度の軽い場合は、レントゲン上であまり変化が出ないこともあります。
治療について症状がごく軽度の場合は痛み止めのお薬でやり過ごすこともできる場合がありますが、この病気のほとんどは、変形、壊死してしまった骨頭を手術で取り除くことが必要になります。骨盤と後ろ足の骨が離れてしまうことになりますが、ワンちゃん(ネコちゃん)の場合は人間と違って4本の足で歩いていることや、骨盤周りの筋肉が発達していることから、しっかりとリハビリをすることで、数か月(1~3か月)で普通に歩けるようになります。ごくまれに、取り除いた骨の端からいびつな骨が再生することがあり、再手術が必要になることがあります。また病気になっていないほうの足も後からこの病気がでてくることがあるので注意が必要です。
レッグ・ペルテス病を未然に防ぐには?
予防法はなく、思いあたる症状がみられた場合は早めに動物病院にご相談ください。