【再生医療】椎間板ヘルニアの犬に対して幹細胞の移植治療を開始しました。
ワンちゃんの椎間板ヘルニアは、脊椎の間でクッションの役割をしている椎間板が飛び出し、脊髄神経を圧迫することで痛みや麻痺による歩行困難、排尿排便困難が生じる病気です。病気になったワンちゃんはもとより、介護が必要な状況になると、ご家族の生活の質も低下することがあります。また、病状の軽重によって、手術や内科的治療がおこなわれますが、これらの治療をおこなっても回復しないケースがあり、新しい治療方法の開発が強く望まれていました。
最近、この新たな治療方法として、幹細胞の移植治療が開発されました。これにより、動物病院で再生医療を受けることが出来るようになりました。当院は犬(同種)脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた「ステムキュア」という医薬品を取り扱う登録病院となり、移植治療を提供できる状況にあります。
椎間板ヘルニアは、従来の治療法で改善するケースも多いですが、手術で突出した椎間板物質を摘出しても脊髄の損傷や炎症は残存します。「ステムキュア」では炎症を抑えながら一部の神経細胞の再生が見込める可能性があり、実際、従来の治療法で改善が認められなかった症例のうち幹細胞移植治療を行った犬の約3割で症状の改善が認められ、中には歩行が可能となった例も報告されています。
また静脈点滴による投与の為、麻酔や鎮静は必要とせず、高齢犬でも治療可能です。
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